先日、上野動物園のジャイアント・パンダ、シンシンが赤ちゃんパンダを出産しました。2012年以降5年ぶりとなる赤ちゃんの誕生ということで日本中がワクワクに包まれています。
そんな中、同時に話題になっているのが。。パンダのレンタル事情。
中国は1970年代から、主に同国で生息するジャイアントパンダを、日本やアメリカなど約14カ国に贈与・賃与し、「パンダ外交」を展開してきました。後にパンダが絶滅危惧種であることから、ワシントン条約により売買や贈与はできず、賃与のみとなりました。賃与パンダから生まれた子どもは性成熟に達する4歳ごろに中国に返還されます。
日本にいるパンダは全て中国からレンタルされているって知ってましたか?
現在日本にいるパンダは赤ちゃんを含めて全部で12頭います。
○東京都:上野動物園 2頭(+赤ちゃん1頭)
○和歌山県:南紀白浜アドベンチャーワールド 8頭
○兵庫県:神戸王子動物園 1頭
気になるレンタル料金
レンタル料金は中国から借り受ける際に締結した「日中共同飼育繁殖研究協議書」によって取り決められている。
その金額は上野動物園のリーリーとシンシン雄雌一対のケースで、なんと年間約1億円!!!
パンダは絶滅危惧種にあたる為、この金額になったそうなんですがあまりに高すぎるんじゃないのか、日中友好ではないねという声が多数です。
ちなみに自然死以外で死亡してしまった際にも損害金が4000万円掛かるとのこと。
そしてこのレンタル金はやはり赤ちゃんパンダにも掛かってきます。
気になるその金額は、年間およそ7000万円。
日本で生まれた赤ちゃんであろうと所有権は中国なのですから当然といえば当然なんでしょうが。
赤ちゃんパンダによる経済効果
関西大学の宮本名誉教授によれば赤ちゃんパンダによる経済効果は
直接的(赤ちゃん見に来園など)、関節的(グッズや地域活性化など)
を合わせると200億円以上になるとは言われています。
パンダは友好の証ではなく単なる金儲けの道具にすぎないという声もきこえます。
日本以外では、米国、オーストラリア、オーストリア、韓国、タイ、台湾、オランダ、マレーシア、シンガポール、カナダ、メキシコ、フランス、ベルギー、スペイン、スコットランド、などです。韓国は一度、1999年時に資金難で返しており、昨年2016年にまたレンタルをしています。
パンダ外交の裏
パンダ外交という言葉がある通り、中国はパンダを贈呈したり貸し出すことで大きな収入を得ているからです。ということは日本を始め、パンダを借りている側としては相当の金額を払うことになりますよね。
昔は贈呈した時点で相手先の国籍になっていたため、繁殖に成功すれば中国へお金を払う必要はありませんでしたが、ワシントン条約その他諸々の影響で、現在中国から他の国にパンダが行くときは「贈呈」ではなく「レンタル」という名目になっています。
レンタル料以外にも、寿命以外の理由でレンタル中のパンダが死んでしまった場合、数千万単位の賠償金も発生します。
一応そのお金はパンダの保護や研究に使われているそうなのですが。
ではなんでそんなにお金をかけてパンダを借りるのかというと、「客寄せ」の他にもう一つ理由があります。 それはパンダは繁殖能力が非常に低く、乱獲によって数が激減した今、動物園などで人工授精をさせないと絶滅の可能性が高いからです。そして、上野動物園をはじめとした日本国内の動物園では、トントン以降数回の繁殖に成功しています。中国の動物園にも、日本で生まれたパンダの子孫がいるくらいです。
中国でも本腰を入れて保護活動に取り組んでいるため、1980年代から比べるとパンダの数はかなり増えているのが明るい兆しではありますが、まだ2000頭程度なので、密漁者が増えるようなことがあれば逆戻りしかねません。
また中国の子供達でさえ簡単にパンダを見る事も出来ない中で、日本では「かわいい」と言いながら気軽に観賞できる環境とその豊かさに、あまりにも鈍感になっていることを頭の隅にでも置いておく必要がありそうです。
日本も、パンダと同額、同条件で日本の動物をレンタルする考えはないのでしょうか?
パンダに罪はないが、「友好」とうのには、片方だけに利益が出るのは不公平ではないかと思う。
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